世界史大論述に取り掛かるところまで話しました。
テーマは確か移民でした。
私は第2問の時と同様のメンタリティーで、知識をベタベタ張り付けただけの答案を作りました。
私が東大特進で(初期はZ会で)受けていた荒巻先生という人は、リード文を分析し、出題者の意図を読み取り、大局的に歴史の流れを解釈し、それを有機的な文章に仕上げ、解答にすべきだと主張し、無機的に知識を羅列しただけの答案を批判していました。
そして彼は授業で、東大の過去問を題材にし、生徒たちの前で上記のような答案を鮮やかに作って見せるのでした。その大胆で洗練された答案は、赤本などの解答とは一線を画しており、彼は大変な人気を集めていました。
私も始めZ会で彼の講座を受講し、彼のような見事な答案を書けるようになることを夢見ていましたが、しかし、6月ごろ目が覚めたのでした。
彼が授業で披露するような答案を書けるようになるには膨大な知識が必要です。
しかし、高3の4月ごろに「800年カールの戴冠」を覚えているような受験生たちが一年で、そのレベルに達することは可能でしょうか。まあ、不可能ではないと思います。多くの時間を費やせば。実際、彼の授業は多くの予習復習を必要としました。仮に、大量の時間を費やし、荒巻的答案を書けるようになったとしましょう。それでどれほどの点差がつくというのでしょう。配点は非公開ですが、大論述はせいぜい20点、最大で30点というところでしょう。
つまり、何が言いたいかと言うと、東大世界史は、一問一答的知識が十分入っていれば、ある程度戦える。大論述でもまあまあ得点はもらえる。しかし、荒巻は芸術的な大論述答案作成を主眼とし、その授業は異常に多くの負担を生徒に強いる。
高3から世界史を本格的に始めるような生徒にとって現実的じゃないんです。
しかし、多くの受験生が彼の華麗な授業に魅了され、受講してしまう。
Z会の荒巻の授業はこんな感じで、世界史ばかりに夢中になってしまう生徒が多かった印象です。
東大特進はちょっと違いましたね。そもそも授業が毎週あるわけではなく、毎回テストゼミ形式なので予習も不要。
私としては、普段は自分のペースで世界史の勉強を進めつつ、時々荒巻の話を聞きに行く、という感じでした。
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